TITANIUM ELECTRO POLISHINGチタン電解研磨

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チタン電解研磨の仕組みとメリット

加工の難しい金属材料の代表格であるチタンは、研磨や鏡面加工についてもハードルが高く、顕著な成功例はこれまでありませんでした。それを可能にしたのが三和産業の特許技術である「チタン電解研磨」です。軽くて丈夫、意匠性も高く、金属アレルギーを起こさないことから、さまざまな分野でニーズがある素材だけに、このチタン電解研磨で一層の応用、普及が進むと考えられます。ここでは、研磨で業界をリードする山口県の三和産業が、このチタン電解研磨について解説します。

チタン電解研磨とは

これまで困難とされていたチタン材料への電解研磨、鏡面化を可能にした三和産業の特許技術です。

チタン電解研磨の出発点

チタン電解研磨の出発点

熟練した技術による昔ながらの機械的な研磨でなら、チタンの鏡面化は可能です。しかし、研磨工具の目詰まりが生じたり、仕上がり寸法の精度が確保できなかったり、表面形状が悪化したりと現実的にはさまざまな弊害が伴います。また、材料形状によっては工具がうまく当たらず、研磨すらできないといったことも。三和産業では、こうした機械研磨ではなく、電解研磨によるチタンの鏡面化を目指しました。これがチタン電解研磨の出発点です。

三和産業が大学、研究機関と共同で研究・開発

三和産業が大学、研究機関と共同で研究・開発

チタン電解研磨の研究・実用化は三和産業と山口大学工学部、九州歯科大学、山口県産業技術センターとの産学連携チームで達成されました。

電解研磨によるチタン鏡面化の問題点と解決策

電解研磨によるチタン鏡面化の問題点と解決策

そこでまず、三和産業では鏡面が得られない原因として、電解研磨時に材料表面で生成される絶縁性の粘性膜が通電を遮断し、電解作用をストップさせてしまうことに着目。そこで、通電しても粘性膜を生じないアルコール系電解研磨液を使うことでこれを解決しました。また、このアルコール系電解研磨液は中性で無毒。しかも爆発の危険を伴いません。まさにコロンブスの卵的な発想の転換で生まれたのがチタン電解研磨です。

チタン鏡面処理の問題点

本来、電解研磨は機械的研磨よりも滑らかな鏡面を作ることができる加工技術です。しかし、従来の電解研磨では「思うように鏡面が得られない」という声がさまざまな現場から上がっていました。また、チタン表面を溶かす電解液は毒性が強く、爆発の危険性を伴うことも懸念されていました。

チタン電解研磨・特許取得までの歩み

研究実施計画と主な取組
実施計画
平成14、15年度 基礎研究および調査
平成16年度 応用研究
平成17年度 実用化研究および販路開拓
平成18年度 実用化研究および商品化
主な取組
平成14・15年度
  • 特許出願
  • 課題対応技術革新推進事業: 中小企業総合事業団(現・中小企業基盤整備機構)における基礎研究及び市場
  • 調査
  • 研究テーマが中小企業創造活動促進法の認定を受ける
  • 研究発表(表面技術協会)
  • (社)日本チタン協会へ賛助会員として入会
  • 中小企業総合展(東京)で技術紹介
平成16年度
  • 山口県創造技術研究開発費補助金事業(独自の電解研磨システムを構築)
  • 研究発表(表面技術協会他)
平成17年度
  • 機能性評価試験(耐食性・洗浄性他)
  • 製品サンプルでの電解研磨試験
  • 研磨サンプル配布
  • 研究発表(各種学会)
  • 展示会出展
平成18年度
  • 製品サンプルでの電解研磨試験
  • 研究発表(各種学会)
  • 本格的に商品化
実験方法
基礎実験 市販の攪拌装置を使用し、電解研磨によるチタン(主に純チタン)の鏡面処理の可能性を検討。
応用研究 基礎研究で得た成果を基に、独自にチタン用の電解研磨システムを開発及び構築。また基礎研究で検討した純チタンはもちろん、チタン合金、鋳造チタンについても検討。
本研究における発表実績
自社発表
2004年(平成16)3月 表面技術協会第109回講演大会
題目:「電解研磨によるチタン鏡面研磨」
2005年(平成17)3月 表面技術協会第111回講演大会
題目:「チタン及びチタン合金への鏡面電解研磨の実用化」
共同研究機関による発表
2005年(平成17)3月 表面技術協会第111回講演大会
題目:「環境に配慮したチタン電解研磨浴の開発」
発表機関: 山口県産業技術センター
2005年(平成17)3月 腐食防食協会中国・四国支部「材料と環境研究発表会」
題目:「塩化物塩を溶解したアルコール系電解液中でのチタンの電解研磨」
発表機関:山口大学工学部
2005年(平成17)4月 電気化学会第72回大会
題目:「アルコール系電解液中でのチタンのアノード分極挙動に及ぼす塩化物塩の影響」
発表機関:山口大学工学部
出願特許および認定
出願特許

チタンおよびチタン合金の電解研磨方法、その装置に係わる出願特許2件

2002年(平成14) 「チタン又はチタン合金の電解研磨方法及びそれに用いる電解研磨処理液の振動攪拌装置」について特許出願
2004年(平成16) 「チタン又はチタン合金の電解研磨方法とその装置」について特許出願中
認定
認定研究テーマ 「複雑形状を有する医療用チタン及びチタン合金材料への鏡面電解研磨法」の研究開発、事業化および需要開拓
認定機関 山口県
認定年月日 2004年(平成16)2月20日
委託事業および補助金事業の実績
①平成14年度課題対応技術革新促進事業
〜課題対応新技術研究調査事業〜

題目:「医療用チタン材料への電解研磨の実用化に関する研究調査」

(中小企業総合事業団)

②平成16年度山口県創造技術研究開発費補助金
(創造的中小企業振興枠)

題目:「複雑形状を有する医療用チタン及びチタン合金材料への鏡面電解研磨法の研究開発」

(山口県)

新聞・雑誌などメディア掲載
記事名 「チタン表面を鏡面化に」
媒体名 日刊工業新聞
掲載日 2003年(平成15)7月17日
記事名 「ベンチャー訪問チタン表面を鏡面状態まで研磨」
媒体名 TSR情報No.9257(東京商工リサーチ)
掲載日 2005年(平成17)2月9日

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